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世界にスマイル ☆5☆ [世界にスマイル]

☆5☆
ぼくは、家に帰ってからも、映画の脚本について
あれこれと考え続けていた。

川口探検隊は、
当時、水曜日にテレビ朝日系で放送されていた、
無人島やら洞窟やらの探検番組である。

ぼくは、蛇が出てくる回しか見ていない。
頭にツノのある蛇ナークとか、
頭が二つある蛇ゴーグとかを探す回だ。

探検隊が頭にツノのある蛇ナークの卵を見つけたというので、
卵が孵る瞬間を固唾を呑んで見つめていた。
「この後、カメラは信じられないものを目撃した!」
とかいうような、大げさなナレーションに続くコマーシャルの後、
結局、孵ったのは普通のニシキヘビだった。
なんだぁという感じである。

この様に馬鹿馬鹿しい番組だったが、
そうであっても見るのは楽しかった。

番組のエンディングにかかるロッキーのテーマは、
爽快で、これは使えるなぁと考えた。
ロッキーのテーマ。
ロッキーがアポロとの試合に向けて、片手腕立て伏せをして、
川原を走り、ドラム缶で火を燃やして暖をとる下町を駆け抜け、
フィラデルフィア美術館の階段を駆け上って、
ガッツポーズをとる所で、流れていた曲だ。
これは、是非とも使いたい。

探検物といえば、『8時だョ!全員集合』での
ドリフのコントも思い出した。
いかりや長介隊長のもと、メンバーがどたばたを繰り広げる。
加藤茶、中本工事、高木ブー、志村けん、
小学生の頃のぼくには、お笑いのヒーローだった。

しかし、ドリフも中学生の頃からは、急激に色あせ、
そのギャグは古く感じられるようになっていた。
(高木ブーが辞めそうになった時に、いかりや長介が、
サザンの桑田佳祐に、ドリフ加入を打診していた、
というのは本当のことなのだろうか?)

80年代に入り、時代は、
ロッシーニの『ウィリアム・テル 序曲』で始まる
『ひょうきん族』であった。
ベストテンをパロディにしたひょうきんベストテン。
そして、タケちゃんマンのコーナー。
ビートたけしや、明石家さんまの
やりとりは圧倒的に面白くって、カッコよかった。

その頃、大阪では、ダウンタウンが結成されたのだが、
当時のぼくは、そうした時代の流れを知らず、作るべき映画は、
『ひょうきん族』テイストの探検隊映画の線かなぁと考えた。

考えるのはそれぐらいにして、
ぼくは、愛犬プルートとじゃれて遊んだ。
プルートの背中をなでると、
プルートは嬉しそうに、眠ってしまった。
ぼくも眠くなって、その日は寝ることにした。

翌日から、ぼくは脚本を書こうとした。
しかし、駄目だった。
コンセプトだけでは駄目で、
少しもストーリーが浮かばなかった。
紙を広げて、色々考えるのだが、
書く内容が浮かんでこなかった。

そうこうしている内に、脚本を書く人を決める日となった。
ある程度予想していたことだが、誰も立候補しなかった。
そして、推薦も出てこなかった。
監督のクロウは、黒板の前で困り果てて、ぼくを見つめた。

ソフトクリームの呪縛。
仕方がない。
ぼくは、腹をくくって立候補しようと考えた。

その瞬間、教室の片隅で本を読んでいたベン君が、
顔をあげて、ぼくの方を見た。
そして、じっとぼくの目を見つめ、
何かを読み取ったのか、おもむろに手を上げて言った。
「誰も書かないのなら、僕が書いてもいいです。」

「おぉ」と隣のクラスにも聞こえるような歓声があがり、
重苦しい雰囲気から解放された皆は、こぞってベン君を称えた。
ぼくは、体中から力が抜けていくのを感じた。


世界にスマイル ☆4☆ [世界にスマイル]

☆4☆
「じゃぁ、映画ということで。」
クラス長のマゴベーが教室の前で言う。
窓際の席のぼくは、窓から外を眺めていた。
誰もいないグランドを、青空に浮かぶ白い雲を、
只いつものように、ぼんやりと眺めていた。が、

”映画”という言葉に反応し、あわてて前を見る。
書記のカオリが、黒板に書かれた映画の字の上に○をつけている。
ぼくは現状を認識する。

夏休み明けに行われる文化祭の出し物として、
ぼくらのクラスは、映画を撮る事とに決まったのだ。

「監督は、クロウ君がいいと思う人。」
とマゴベーがいう。
女子が一斉に手を上げる。ぼくも手を上げる。
ぼくの横のアイコも手を上げている。
アイコはクロウが好きなのだ。
書記のカオリが、人数を数え、黒板に"正正正正"と書いていく。
監督はクロウに決まりだ。

アイコが「主役やりたいなぁ。」と僕の方を見て言う。
「立候補すればー。」とぼくは投げやりに答える。
アイコは、目鼻立ちがはっきりした快活な娘である。
映画『アイコ16歳』のオーディションに、
名前がアイコだからという安直な理由で応募したが、
見事に落選したことがある。
今回こそ、主役をやりたいと思ったのだろう。

監督クロウが、すたすたと歩いて教室の前に立つ。
「監督やります。よろしく」 わぁーと歓声。
「いい作品を作るため、全力でがんばります。」
と大きい声で言い、クロウは続ける。
「作品は一人ではできません。皆の力が必要です。
力を貸して下さい。
まず、どんな映画を撮りたいか、意見聞きます。」
意見が出る度に、書記のカオリが、丸っこい字で黒板に書いていく。

書かれたのは、次の様なものだった。
 その1.恋愛映画
 その2.快盗VS名探偵
 その3.学園コメディー
 その4.川口探検隊

そして、投票が行われた。
コメディ映画が好きなぼくは、『学園コメディー』に手を上げ、
アイコは、恋愛映画に手を上げた。
しかし、多数決の結果、何故か第1位は『川口探検隊』となった。
何故なんだろう><

当時、秘境を探検するテレビ番組『川口探検隊』は、
馬鹿にされつつも、絶大な人気を誇っていたのだ。
皆が好きなのは分かるが、なんだかなぁと思う。
一番がっくりしたのはアイコだろう。
ちなみに、第2位は『快盗VS名探偵』だった。
その理由は、推して知るらむ。

脚本は誰が書くのかは、3日後に決めることとなった。

その日の下校時、自転車置き場で、
ガチャガチャさせて自転車を出しながら、ぼくはクロウに聞いた。
「どうして、皆に映画の題材を聞いたの?」
「クラスでテーマを決めた方が、作り易いと思って。」
「それで、川口探検隊というわけ。」と言って、ぼくはため息をつく。

「クロウが撮りたいものは、別なんじゃないの」
「うーん、本当はSF映画が撮りたい。
 だけど、難しいんだなぁ。学校じゃぁ。」
「クロウは、SF映画好きだからね。」とぼくは呟く。
クロウは、昔っから、『2001年宇宙の旅』『スター・ウォーズ』
『未知との遭遇』、それに『エイリアン』みたいな映画が大好きなのだ。

「例えば、学校を舞台にしたSF映画ってできないかな?」
とクロウが言う。
「『時をかける少女』みたいに?」
「いや、もっと、宇宙がでてくるような。」
「学校が、実は宇宙コロニーの中とか?」
「いいね。それで?」
「宇宙コロニーの中なんだけど、
 地球上だと思って住んでいる。ぼくらみたいに。」
「ひょっとして、ここも、宇宙コロニーの中か?」
 とクロウがとぼける。
「そう。ぼくは本当はエイリアンなんだ。がぉー」
 とぼくは怪物のマネをする。
「こわー」とクロウは、自転車で逃げ、僕も自転車で追いかける。

「ねぇクロウ、まって」とぼくが叫ぶと、
クロウはきゅっとブレーキをかけ、そして言う。

「なぁ、ミッキー、お前、脚本書かない? 
 SFじゃなくて、クラスで決まった川口探検隊で。
 アイスクリームおごるから。」
「ちょっと、考えとく。面白い話を思いついたらね。
それにアイスクリームより、ソフトクリームがいい。」
と言って、ぼくはニコッと笑った。


FREEDOM [misc]

前に紹介した、アニメFREEDOMですが、
以下で、今日から1週間
スペシャルエディションの配信が行われています。
http://streaming.yahoo.co.jp/special/anime/freedom/
(外国からは見えないかも知れません。)

ちょっと、もったいぶりと説明が過ぎる感じはありますが、
カッコイイです。
カップヌードルも35周年なんですね。


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世界にスマイル ☆3☆ [世界にスマイル]

☆3☆
ぼくとクロウは同じ1年C組だった。
そして、ベン君も、同じクラスだった。
彼は、勉(つとむ)という名前だったが、
皆からベン君と呼ばれていた。
ベン君は、いつも図書館で本を読んでいた。

学校の図書館は、ラッキーなことに、
キネマ旬報という映画雑誌が置いてあった。
棚には大昔のキネ旬からのバックナンバーがずらりと並んでいた。
それは、宝物のようなものだった。
ぼくはキネ旬を読む為に、最新刊が出る日には図書館に行った。
図書館には、決まって黒縁メガネで長い髪のベン君がいた。

その日、ぼくが図書館に行くと、
ベン君が、先に「キネ旬」を読んでいた。
ぼくは、仕方なくグラビアの「太陽」を手にとって、椅子に腰掛けた。

しばらくして、ぼくの姿に気づいたベン君は、
「これ読みます?」と声をかけてきた。
「あ、読んでいいんですか? ありがとう。」
ぼくは、喜んで本を受け取った。

「いつもキネ旬、読んでいますよね。」とベン君は言った。
「まぁ。そうです。」
「映画が、好きなんですね。」
「はい。」
「どんな映画が好きなんですか?」
「コメディ映画。例えば、アパートの鍵貸します。」
「その映画は観たことがないです。不動産関係のコメディですか?」
「ある意味そうかも」ぼくは苦笑して、逆に質問する。
「不動産関係のコメディって、どんな話だと思います?」
「え、困ったなぁ。
 うーん、まぁきっと、大学生になった主人公が、
 下宿を探しに、ビルの一室の不動産屋に出かける話ではないかな。

 主人公は前金を払って、鍵をもらってアパートに行く。
 部屋の鍵を開けると、中に先客がいて、あっと驚く。
 それは可愛い女の子で、彼女も不動産屋から、
 鍵をもらっていたことが分かる。
 まぁ世にいうダブルブッキングってやつです。」

ベン君は、ぼくの顔を見て反応を見る。
ぼくが続きを期待して、ニッコリとすると、ベン君は話を続けた。

 「怒った二人が、不動産屋に行くと、既に姿を消している。。
 困った二人は、それから色々あって、結局、仲良しとなり
 一緒に、その部屋で暮らそうということとなる。
 そして、二人が楽しく部屋でカードゲームなんかして遊んでいる。

 すると、突然、鍵がガチャっと回って、
 単身赴任のおじさんが、入ってきて、
 アパートの鍵を振り回して、
 お呼びじゃない、こりゃまた失礼と驚く。
 まぁトリプル・ブッキングだった、という落ちです。
 どうかなぁ?」

「ベン君、それ面白いわ。映画のストーリとは違うけど、
 ちゃんとしたコメディだよ。ぼく、ちょっと感動した。」
「喜んでもらえて嬉しい。」
 ところで、ミッキーさんは、自分のことをぼくというんですね。
 どうしてですか?」
「生まれつきかな。」
「僕と同じですね。」とベン君は笑顔で言った。


世界にスマイル ☆1☆  ☆2☆ [世界にスマイル]

☆1☆
たいした話ではないが、
僕も小説を書こうと思う。

幸運にも最後までたどりつけたら、とても嬉しいが、
仮に途中で空中分解してしまっても、
どうか大目に見てやって欲しい。
あなたは、現代においては、絶滅に瀕そうとしている、
寛容の精神を学ぶことができるのだから。

☆2☆
さて、今から20年程昔の話である。
だいたい1980年代の半ばで、
世の中の景気は上がり調子で、
ぼくは、そんなこととは関係の無い、
日本の片隅に住む高1の女の子で、
ミッキーという世界中にスマイルを振りまく様な名前で呼ばれていた。

ぼく自身は、こんな名前は全く気に入っていなかったのだが、
皆は喜んで、このあだ名で呼んだ。
このあだ名をつけたのは子供の頃からの友達のクロウである。
ある日、僕の飼っている耳の垂れた犬が、
プルートという名であることを知り、
「じゃぁ、お前、今日からミッキーな。決まり。」
の一言で、あっさりと決まったのだった。

クロウが何故クロウと呼ばれていたかにも触れておこう。
クロウは、そのまま九郎だからである。
九人兄弟という訳ではない。
親父の八郎が、源九郎義経にちなんで付けた名前らしい。
親父がこの名前を付けた時、母親は「何故義経なの?」
と突っ込まなかったのだろうかと不思議に思う。
しかしながら、この名前は、どこかカッコイイ響きがあり、
また、名前のおかげか身のこなしが軽やかである。
クロウは、いつも長い足で颯爽と歩いている。

クロウは、ぼくの周りの女子に人気があった。
クロウと、ぼくがいつもの様に話しをしていると、
彼女らは露骨に羨ましがった。
しかし、ぼくは、クロウを異性として意識したことは無い。
僕らは気の合う友達だった。

ぼくらは良く一緒に映画を見に行った。
アカデミー賞を取るような映画も、
カンフー映画も、アニメも、何でも良く観た。
例えば、『アマデウス』『プロジェクトA』に、
『風の谷のナウシカ』
当時見た映画は、今でも良く覚えている。

ぼくらはいつも、駅で待ち合わせて、
列車に乗って、町まで映画を見に行った。
何の映画を観た帰りだったのだろう。
その日、僕らは、列車を降りてから、そのままプラットホームの
ベンチに座って、話を続けていた。
映画のつっこみや、学校の事なんかを話していたと思う。
携帯が無かった時代、情報交換の為に、
家に帰るまでのわずかな時間がとても大切だった。

ぼくは、駅の近くに住んでいるので、駅から歩いて帰れるのだが、
クロウは、ここで、単線の支線に乗り替えて帰る必要があった。
ふと気がつくと、クロウが乗る列車が支線のプラットホームに到着していた。

話に盛り上がっていたので、到着しているのに気がついていなかった。
「やば。列車来てる!帰るよ。じゃあ!」
クロウは、すっと立ち上がると、風の様に走り出した。
同時に、列車の発車ベルが鳴り出した。
クロウは、支線のプラットホームへ乗り換える為に階段を駆け上がる。
列車のドアが閉まり始める。
クロウは、列車の上を渡る乗り換え通路を走り抜けている。
「間に合え!」とぼくは立ち上がって、強く念じる。

クロウは、ジャッキー・チェンの様に猛ダッシュで、
乗り換え通路の階段を駆け下りてくるが、
無常にも列車のドアは閉まっていく。

「あぁ!残念無念。」と思った。
その時、列車の窓から車掌さんが、ひょっこりと顔を出す。
車掌さんは、クロウの姿を見て、列車のドアを開ける。
クロウは、軽くお辞儀をして、中に乗る。

乗ってから、こちらのプラットホームに気づいたクロウは、
ぼくに軽く手を振る。僕も手を振り返す。
「車掌さん、ありがとう!」ぼくもお礼を言う。
まだ、のんびりした時代だった。

しかし、話はそれで終わらない。
列車は走り出した。クロウの家とは反対方向に。
クロウは、逆行きの列車に乗ってしまったのだ。
車掌さんに助けてもらってまでして。

クロウには、そういう、そそっかしいところがあった。


高校生と龍 [misc]

昨夜、NHK人間ドキュメント
天突く龍を作れ~長野 須坂高校文化祭~
という番組を見た。

 その巨龍(りゅう)は長さ20m、高さは校舎の3階に迫り、
 圧倒的存在感で天をにらむ。
 毎年、長野県須坂高校の真夏の文化祭に出現する生徒たちの汗と涙が凝縮された
 巨大モニュメント。
 制作期間は半年以上、生徒たちはさまざまな試練と闘う。
 人手不足、仲間同士の衝突、骨組みの強度問題、悪天候、部活や受験勉強との両立…。
 なぜ彼らはそこまでして龍の制作に打ち込むのか?
 人生の中で輝き続けるであろう青春の日々を記録する。

という内容の番組で、見ているうちに、
自分の高校の文化祭でのマスコット作りや、
やった劇(一応主役?だった。)なんか思い出して、
やたらと懐かしくなった。
若いというのは、何かと大変なことだけど、
夢中になって打ち込む姿は、とても美しいものです。
高校のグランドに流れていた、
ゲド戦記のテーマ曲は、とっても、しっくりと合っていました。

参考:
 NHK人間ドキュメント
 天突く龍を作れ~長野 須坂高校文化祭~
 http://www.nhk.or.jp/ningen/top.html
 多分トップページは、今のうちだけだけど。

 http://www.suzaka-h.ed.jp/wadai/wadai.htm
 に文化祭の写真あり。


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猫使い [生き物]

テレビを見ていたら、
世界唯一の猫使いククラチョフさんが、出ていた。
猫たちが、舞台で、ボールに乗ったり、立ち上がったり、逆立ちをしたり、
綱渡りをしたり、ククラチョフさんの足の間をすりぬけていったり。
ククラチョフさんは、元々ボリジョイサーカスの人気ピエロで、
拾った子猫たちと遊びながら、芸に仕上げていったようです。

さて、先日、自転車に乗っていたら、
白い野良猫が、僕の自転車にくっついて走ってきた。
そして、僕の自転車に並ぶと、突然、どうしたことか、
僕の自転車に飛び込んできた。
ぎゃぁ!と、ブレーキをかけたが間に合わず、
自転車は走ったまま、野良猫は、僕の足にちょっと触れて、
前輪とペダルの間を、すっと通り抜けて、道の端に消えていった。
僕は自転車を止めて、呆然としながら、
猫が消えた方向を、大丈夫だったんだろな と思って
眺めていた。

今思う。
僕も、猫使いになれるかも知れない。
その為には、相棒となるべき、白い野良猫を探し出さなければ。

ククラチョフさんの猫の劇場については、以下をご覧下さい。
http://webforest.net/cat/fc/whats.htm
http://webforest.net/cat/index.shtml


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