So-net無料ブログ作成

『いとしのエリー』と『永訣の朝』と『なごり雪』 [音楽]

サザンオールスターズの
『いとしのエリー』のシングルが発売されて、
今日で、ちょうど30年になる。

個人的には、『上を向いて歩こう』と並んで、
この30年間で、最も口ずさんだことのある曲、
のような気がする。

さて、『いとしのエリー』の2番にこんな歌詞がある。

 あなたがどこかの遠くへ行きうせても
 今までしてくれたこと忘れずにいたいよ
 (中略)
 みぞれまじりの心なら
 エリー my love so sweet
 エリー my love so sweet

ここを聴くと、勝手ながら、
宮沢賢治が、いもうとトシのことを書いた詩『永訣の朝』
の冒頭部分を、つい思い出してしまう。
 
 けふのうちに
 とおくへいってしまふわたくしのいもうとよ
 みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ

という一節です。
ともに、旅立っていく最愛の女性へと捧げられた、
みぞれという、すきとおった透明な明るさに彩られた
無声慟哭の歌だからでしょうか。

そういえば、今週の新聞の土曜版には、
『いとしのエリー』の、ほぼ5年前に発売された、
伊勢正三さんが作詞・作曲したかぐや姫の『なごり雪』
が特集してあった。
『いとしのエリー』とも、どことなく通じる構成を持つ
この曲も、同じように、
汽車で旅立っていく女性のことを透明感のある明るさで歌っている。
なごり雪の情景であることも興味深い。

蜂群崩壊症候群について [生き物]

蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder,CCD)とは、
ウィキペディアによると、
一夜にしてミツバチが原因不明に大量に失踪する現象です。
2006年秋~現在にかけてセイヨウミツバチ(以下ミツバチ)が
一夜にして大量に失踪する現象が米国各地で起こっており、
その数は米国で飼われているミツバチの約4分の1。
北半球全体でも同様の現象が起こっているそうです。

この現象について詳しく書かれた話題の本、
『ハチはなぜ大量死したのか』を読みました。
(原題は、Fruitless Fall:
The Collapse of the Honey Bee and the Coming Agricultural Crisis)

「犯人はこれだ!」
というのを突き止める謎解きだと思って読み始めましたが、
その答えは結構複雑でした。その要点は後述するとして、
この本を読んで、なんといっても面白かったことは、
ミツバチの魅力が存分に伝わってきたことです。

1匹あたり1gしかない脳で、作り上げた緻密で知性的なコロニーの
その何とも魅力的なこと。
例えば、こんな表現があります。

 マルハナバチは無骨な開拓者タイプだ。
 驚くほど自立していて、畏怖の念を抱かされるほどだが、協調性に乏しい、
(中略)
 一方、ミツバチは、個々のメンバーの風采はあがらないけれども、
 忠誠心に富み、組織は厳格に統制されている。
 闘争が起こるようなことはまずない。
 マルハナバチがガリア人の村人だとすれば、
 ミツバチはローマ帝国の軍団だ。

ミツバチをローマ帝国に例えたこの記述は、個人的にはキタ!
というのでしょうか。
折りしも、先日、塩野七生さんの『ローマ人の物語』シリーズの
『すべての道はローマに通ず』という巻を読んだ所で、
ローマ人が作った、道や、橋、水道といったハードなインフラや、
医療や教育といったソフトなインフラについて頭に残っていた所だったので、
ミツバチの作り出す、驚異的な建造物である巣や、
その良く出来た集団生活について、非常に面白く読むことができました。

『ローマ人の物語』を読んでいると、ローマ皇帝の多くは、
独裁者というより、ローマ社会を維持するための奉仕者として、
大変な責務を果たしているなぁと思うことが多々あります。
ミツバチの社会でも、「群集の知恵」という哲学に従って、
食物の取り込みや巣の建設などのニーズを正確に調整しており、
女王蜂も支配者というより、集団生活を支える産卵の専門職のようです。

ミツバチの様な小さな昆虫が、
このように高度に発達した集団社会=コロニーを作りうるのか、
とても不思議です。
そして、このミツバチは、蜜を提供するだけでなく、受粉を通して、
多様な生態系を支えたり、人間の食生活に大きな貢献もしていることが
分かりました。

本書には、ミツバチの魅力を伝える、面白い付録記事も満載です。

付録1 アフリカ化したミツバチのパラドックス
   (さらに、前述のミツバチの巣に関して、
   人知をも超えた緻密さの一端も明らかになる!)

付録2 ミツバチを飼う
  (養蜂器具の販売先や飼うための情報源が記載してあります。
   残念ながら、当然アメリカで飼うことを前提としていますが。)

付録3 授粉昆虫にやさしい庭作り
  (授粉昆虫のことを考えて庭作りをするのは、
   身近に出来る環境復元のための第一歩です。
   自分の住む地域でも、ミツバチが住める環境を保全していかないと)

付録4 ハチミツの治癒力
   (ハチミツの素晴らしさが良く分かります。
   僕は、かつてはハチミツが好きだったのですが、
   国産のものはどんどん無くなり、その上、最近は、
   ハチミツを真似たシロップがスーパーの売り場に並んでいるので、
   ハチミツから離れて、メープルシロップの方にシフトしていましたが、
   安心できるハチミツを見つけよう!と思いました。)


さて、蜂群崩壊症候群の犯人探しの件ですが、
これについて、書くことは、本当に気が重い。

本書では、犯人を追う過程で、順番に、
ミツバチたちがかかえることになった様々な問題が
浮かび上がってきます。容疑者になったものは怪しいものを含めて、

・外国からやってきたダニ説

・携帯電話説(コードレス電話を巣箱につっこむと、
 ミツバチが巣に帰れなくなる実験について
 紹介していますが、筆者は、遠い場所の携帯電話の電波の影響と
 考えるのは、はなはだしい飛躍と、常識的判断をしています。)

・遺伝子組み換えのトウモロコシ説

・地球温暖化説

・イスラエル急性麻痺病ウィルス説

・ノゼマ病微胞子虫説

・ネオニコチノイド系農薬説

そして、さらに、伝統的な養蜂を超えて、
アーモンドの受粉等の道具として、人間の経済に組み込まれたことによる、
ミツバチの個としてコロニーとしての疲労の蓄積説。
(これは、ミツバチ蟹工船の世界です。。)

筆者によると、上記の様な、現代社会の様々な要因と環境の激変が複合して、
緻密に作られたミツバチのコロニーのシステムに回復不能な
大きな打撃を与えているようで、はっきりとは特定はできないが、
これが、蜂群崩壊症候群につながっているのではないかとしています。

これを読んでいると、ミツバチが可哀想になります。
そして、これはミツバチだけの問題ではなく、
花の誕生で生まれた、植物と動物の共生による多様で豊かな生態系が
現在進行形で、急激に崩壊を始めていることが書かれています。

これを止めるためは、この本では、
ミツバチのコロニーに本来そなわっている
復元力を回復させるにはどうすれば良いのかについて、
様々な示唆に富む事例を紹介しています。

僕の周りでも、昔は色々な種類の花や緑があって、
色々な昆虫が溢れていた記憶があるが、最近はあまり見かけなくなっている。
まずは、身の回りのミツバチを注意して観察しようと思いました。

蜂群崩壊症候群は、ウィキペディアでも詳しく解説されています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9C%82%E7%BE%A4%E5%B4%A9%E5%A3%8A%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4


ハチはなぜ大量死したのか

ハチはなぜ大量死したのか

  • 作者: ローワン・ジェイコブセン
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/01/27
  • メディア: 単行本



偶然は必然? [村上春樹]

村上春樹さんの初夏刊行予定の
最新長編小説のタイトルが公開されました。それは、

1Q84
ichi-kew-hachi-yon

http://www.shinchosha.co.jp/murakami/
(前のスターウォーズのオープニングの様な予告から
くるくる回転する予告に変りました。)

僕は、ブログで記事を書く時、
どこかと繋がっている記事が書けると良いなぁと
どこかに思いながら書いているのですが、
前回、村上さんのことを取り上げた際に、
アップル社のCM『1984』を 一緒に取り上げていたので、
このタイトルに少し驚きました。

エルサレム賞でのスピーチは、きっと、
村上さんの最新長編の世界へ繋がっているのでしょう。
一つのメタファーとして。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。