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夢で会えたから [小話]

ある日、中学の時の同級生から、
今度同窓会をやるんだけどと連絡があった。

それで、中学からの友人たちと、
一緒に行く約束を取り付けようとした。
ところが、一人の友達とは連絡が取れない。

その友達の家の電話も、携帯も通じるが、
いつも留守電だ。
留守電に、個人的にちょっと苦手とする
メッセージを吹き込んでも、音沙汰がない。

その友達とはここ数年、会ったり話たりしていない。
他の友達に聞いても、会っていないらしい。
彼に何かあったのだろうか?
この所、連絡をとっていなかったのが悔やまれる。

意を決して、昔よく遊びにいった家を訪ねる。
表札は変わっていないので安心する。
呼び鈴を押すが反応はない。
家の様子を観察する。カーテンは閉まっている。
家の裏に回り込むが、洗濯物は干していない。
にわか探偵には、住んでいるのか住んでいないのか
判断がつかない。

しばらくしてから、もう一度訪ねたが、同じだった。
時々電話もかけてみるが、いつも留守電。

昔は、家の電話をかけると、
すぐに本人か家族が出てくれて、
これから遊ぼと、簡単に伝えられた。

今は、インターネット、メール、
iPhone、アンドロイド携帯が、
身の回りに溢れていて、
魔法使いが杖を一振りするように簡単に、
電気の魔法で人と連絡が取れるはずなのに、
この友達には、なかなか連絡が取れない。
友達の身に何かあったのだろうか?

その夜、僕は夢を見る。
夢の中の場所と状況は覚えていない。
ただ、特別な場所ではなくて、
いつもの馴染みのある場所だった。
そこに、その友達が、
いつもと同じような笑顔で、
僕のことを待っていてくれて、
僕は、何だ元気にしているじゃないか
と安心する。
そして、幸せな気分に包まれる。

目が覚めて、夢のお告げじゃないけれど、
僕は友達が元気にしていると確信する。

数日後、電話が鳴った。
「電話くれたようで」と、懐かしくて、呑気で、
いい意味で、ちょっと憎たらしい声だ。
つい昨日も話したばかりのような感じになって答える。
「ああ、同窓会ね。」
そして、夢の中の笑顔を思い浮かべて
「今どうしている?」と聞く。

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